ITの進化

IT技術と、現実化される想像

SFの世界などで描かれていた科学技術による「想像力の世界」は、もちろん、そのすべてが現実化されたというわけではありません。

しかし、現実世界における科学技術の進化は、まるでSFで描かれていたような「想像力の世界」に追いつくだけではなく、ときには追い越そうとするかのような勢いで発展し、「想像力の世界」を現実化してきましたし、現在も、止まらない進化の渦中にあります。

「想像力の世界」を現実化するにあたって、とりわけ大きな影響を与えたのは、やはり、インターネットなどに代表されるIT分野における技術の進化ということになるのではないでしょうか。

現実が書き換えられる

インターネットの普及は、現実世界のすべてを変えてしまったといっていいでしょうし、様々な科学技術の発展と手を組みながら、現在も現実を変化させつづけています。

インターネットの開発と普及は、IT技術の発展を象徴する大事件でもあったし、ITの進化の流れにおけるターニングポイントでもあったと思います。

いまやインターネットがない生活というのはとても考えられませんが、たとえば、1970年代ごろに生まれた世代であれば、成人を迎えるまでインターネットを使ったことがない世界に生きていたのですから、それを想像すると、少し不思議な感じがします。

携帯電話から発展したスマートフォンも、SF時代には夢の装置に思われた手乗りサイズの端末であるわけですが、発表当時の衝撃はすっかり忘れ去られ、いまでは、「誰もが持っていて当たり前」という自然さとともに、人々の暮らしに溶け込んで、人々の生活を支配しています。

いまでは、街中でスマートフォンを持っていない人を探すほうが難しい、というほどに普及していますが、もし、昭和初期の人間をタイムマシーンで連れてきて、電車のなかでスマートフォンをいじっている人たちの姿を見せたとしたら、衝撃のあまり卒倒してしまうのではないだろうか、と想像します。

科学技術の進化と、その普及は、当初の革命的な印象が即座に忘れ去られ、「まるではじめからそこにあったかのように」というような錯覚を人々に与えるのが大きな特徴といえるかもしれません。

VR、AR、AIといった最新の科学技術によって変わっていくであろう世界も、インターネットやスマートフォンが普及したようにして、あっという間に普及するでしょうし、インターネットやスマートフォンと協力するようにして、「最初からそうであった」というような顔をしながら世界をまるごと書き換えてしまうのではないかと思います。

揺さぶられる現実世界

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった最新技術も、現在では、ある特権的な層だけが体験できるものではなく、誰もが気軽に体験できるようになりましたから、「すでに普及している」といっても過言ではないかもしれません。

記憶に新しいのはポケモンGOでしょうか。

見慣れた街の風景にスマートフォンのカメラをかざすと、その風景の中に自然に溶け込んで実在しているかのようにポケモンの姿が現れるという光景をはじめて見たときは、「ついに現実はここまできたのか」と衝撃を感じたものです。

しかし、現代の小学生などにとっては、古い世代には科学技術による異様な光景と感じられるAR技術の景色も、「当たり前の光景」としてすんなりと受け入れられているのだと思います。

VRは、現在は「視覚」と「聴覚」に錯覚を与えることがメインでまだまだ進化の余地が残されていますが、いずれは、「触覚」や「味覚」や「嗅覚」といった感覚に刺激を与える機能が実装されることになるでしょう。

そうなったとき、「現実」と「仮想現実」の区別をつける自信が私にはありませんし、「仮想現実」が「現実」より魅力的であった場合、現実逃避をして仮想現実の中でずっと生きてしまいそうな予感もあります。

あらゆる場所に人工知能が

AIの発達と、その生活への普及も見逃すことはできません。

AIが身近にいる世界というのは、科学技術がもたらした世界像の一つの到達点であるようにも思われます。

スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』に登場する、極度に発達したCPUを搭載した人工知能“HAL9000”が、宇宙空間のなかで人間に反旗を翻した場面などを思い返すと、AIというものがあまり身近になりすぎるというのも、少々おそろしく感じられます。

しかし、近い将来、家や街などのあらゆる場所でAIの存在を感じることになるのでしょうし、AIと共に生きていく未来というのは不可避であるように感じられます。

AIが身近な時代が到来するにあたって、アイザック・アシモフが考案した「ロボット三原則」がしっかりと守られて、人間がロボットに使役されてしまうような世界にならないことを祈るばかりです。

AI技術が身近になったことを実感させる大きなトピックとして、人口知能が搭載されたスピーカーが販売されたというニュースが耳に新しいのではないかと思います。

人口知能搭載のスピーカーの登場で、人々の暮らしのなかにAIがいる光景というのは、ますます当たり前の光景になっていくのではないかと思います。

実はすでに人工知能に慣れてもいる

もちろん、人口知能搭載のスピーカーが発売される以前から、人工知能と人が交流する場面がなかったわけではありません。

Siriなどに代表されるスマートフォンのアプリによって、人間と人工知能が会話をするというような状況はすでにありふれたものでしたし、もはや、人々にとって人工知能に抵抗を抱くようなハードルは取り払われているように思います。

よくよく考えれば、パソコンのヘルプなどで色々な情報を教えてくれた懐かしのイルカなども現在の人工知能時代を先取っているような存在だったのかもしれませんから、人工知能に対する抵抗はもともとなかったのかもしれません。

人工知能搭載のスピーカーがあたりまえの家具として置かれるような時代がきている以上、ロボットが最高の話し相手、というような近未来の足音が近づいてくるようでもありますね。

もしかすると、ペットを飼育することよりもロボットと暮らすほうが気軽だということにもなるかもしれませんし、アイボなどの犬型ロボットはそのような時代の到来を予言するような存在だったのかもしれません。

家庭に新しい家族として迎えられる人工知能搭載のロボットが、もし、手塚治虫の『火の鳥』に出てくる「ロビタ」のようなロボットであるならば、ロボットとともに暮らしていく人類の未来は、きっと明るいものになることでしょう。

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